とうとう高齢者の医療と介護負担増に。現役世代の保険料も引き上げ 2016/11/24

高齢化が進み、医療費や介護費が増加する中、一定の所得がある高齢者には負担をしてもらおうという方向が強まっています。

まず医療ですが、ご存じのように「後期高齢者医療制度」は、2008年に始まった75歳以上の高齢者を対象とした制度です。給付の5割は税金、4割は現役世代の支援金、1割は75歳以上の高齢者の保険料でまかなっています。

専業主婦(169万人)は75歳になって初めて保険料を払うことになるので、当初から負担軽減のために、9割減で負担を1割の1ヶ月390円とする特例措置を導入してきました。また低所得者(夫婦の年金収入80万円以下の747万人)に対しても特例措置として1割負担としていました。これら75歳以上の高齢者の約6割を占めている人々の特例措置が見直され、保険料が徐々に上がる見込みです。

すでに75歳以上の人は3年かけて段階的に廃止する予定です。来年度75歳になる人はこの特例は廃止となります。一定の収入(370万円以上)がある70歳以上の高齢者も自己負担の上限が上がり、現役世代並となります。

介護保険料については、現役世代並の所得のある人(単身なら年収383万円以上)が介護保険サービスを利用した場合、2018年8月から自己負担が現在の2割から3割に引き上がる予定です。介護保険の自己負担は原則1割ですが、単身で年収280万円以上の高齢者はすでに2015年8月から2割に引き上げられています。一般所得者のサービス利用料の自己負担上限額も2017年8月から一部が引き上げられます。

現役世代の介護保険料も段階的に上がる予定です。現在の介護保険料は、加入者に応じて算定していますが、これでは中小企業の負担が重いので、これを来年度から収入によって保険料が変わる「総報酬割」に変えようとしています。これに変わると、負担が増えるのは大企業の会社員約1272万人(約730円増)、減るのは中小企業の会社員約1653万人(約240円減)と推計されています。

いずれにしても、確定するまではどうなるか分かりませんが、一定の所得のある高齢者には負担してもらうという姿勢は変わらないでしょう。その次に負担増になるのは誰? どの層まで見直しの波がくるかはまだ分かりませんが、自助努力の方向が強くなるのは事実です。

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岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

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