消費増税と住宅購入 2019/2/14

消費増税にあたって、車の買い時も気になりますが、金額が大きい住宅の買い時はもっと気になりますよね。10%に引き上げられると、住宅の金額はもちろん上がりますが、政府は駆け込みと反動減を避けるために、様々な支援策を準備しています。いつ購入するのが得策かを考えてみましょう。

まずおさらいですが、消費税率8%が適用される住宅は、2019年9月30日までに引き渡された場合です。注文住宅の場合は2019年3月31日までに工事請負契約を締結した場合となります。

次に消費増税後に購入した場合の支援策について見てみましょう。
第一の支援策は「住宅ローン減税の延長」です。10%の税金がかかる住宅を購入して、2020年末までに住む人が対象です。現在、一般的な住宅を購入してから10年間は、年末の借入残高の1%(最大年40万円)が所得税等から控除されています(認定長期優良住宅は50万円)。それが今後は13年に伸び、3年間で最大80万円が控除される予定です。ただし11年から13年目には、年末残高の1%か、建物価格(土地に消費税はかからない)の2%を3等分した額の、どちらか小さい額が控除される予定です。つまり増税分が3年で還付されることになります。

第二の支援策が「すまい給付金」です。現在のすまい給付金は、住宅ローンを利用している人の年収の目安額によって、10万円から30万円まで給付されていますが、給付額の上限が50万円まで上昇する予定です。年収の目安の上限も現在の510万円以下から、775万円以下に上がり、50万円の給付は450万円以下の目安と変更されます(取得物件に条件あり)。

またこれ以外にも住宅取得資金の非課税増税枠の拡充や、優れた性能の住宅を購入した場合に「住宅エコポイント」を付与するなど、新たな支援策も考えられています。またこれまでは増税後に住宅価格がかなり下がったこともあります。これらを考えると、増税分は相殺されそうなので、駆け込みで買わなくても大丈夫のようです。

ただし長い目で見ればどうでしょうか。13年間減税されると言っても、消費増税分を回収するには13年かかります。また借入残高が少なかったり、ローンの返済期間が短い場合は、11年〜13年の控除額がローン残高の1%となる場合が多いので、増税分が相殺できなくなります。さらに住宅ローンが高くなれば、金利の負担も増えますし、経済状況の変化等で所得が減ってしまえば、増税前に購入した方が得とも言えます。

家計全体を見れば、住宅ローンだけでなく、教育費や老後の準備等、同時に考えなければならないこともあります。いずれにしても住宅が本当に必要なのか、いつ必要なのか、購入のための準備をしているのか等をまずはっきりさせる必要があります。

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岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

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