消費増税対策の光と影〜足りるかポイント還元予算〜 2019/11/9

明暗を分けたポイント還元


消費増税から一ヶ月が過ぎ、大きな反動減がないと言われている中、いくつかの課題が生じています。その一つが、ポイント還元です。

増税で消費が減速しないように、またキャッシュレス化を進めたいため、キャッシュレス決済をすれば数%が還元されることとなりました。ただし電子マネーとQRコード決済の両者があり、サービスも多種にわたり、消費者の混乱もさることながら、事業者間にも競争が広がっています。

QRコードを提供する事業者は独自の高還元率の提供をうたい、利用者が急増しています。一方、電子マネーは、交通系、流通系、専業系に大別できますが、ポイント還元を目当てにQRコード決済に消費者が流れています。ポイント還元の期日である来年の6月まで、まだポイント還元での競争が進みそうですが、現在の乱立状態のまま進むとは考えられないので、資金力を持つ事業者に淘汰されていくのではないかと考えられます。

ポイント還元の予算は足りるの?


このように消費者にとっては、数円でも安くなるポイント還元は有り難いですが、このポイント還元、1日に平均10億円分のポイントが消費者に還元されています。

このままいくと、来年3月末までに予算が不足する可能性があると言われています。予算は約2800億円なので、還元分の原資分1786億円の1日あたりは10億円弱です。ポイント還元の期日は来年の6月なので、足りない場合は追加予算を検討するとされていますが、どうなるかは未定です。追加予算をして消費増となったとしても、それが6月以降に継続するのかは分かりません。

ポイント還元がないなら現金に戻ってしまう消費者もいるはずです。ポイント還元でキャッシュレス決済を何%増加するかの目標は示されていません。お金をかけた効果があったのかを政府は示す必要があります。

クレカのリボ払い設定に注意


キャッシュレス決済が後払い式のクレジットカードになっているものも多いので注意が必要です。最近、リボ払い設定にするとポイントを提供するというメールが多くなっています。しかしリボ払いは残高に対して手数料がかかってきますが、この利率が15%等高めなので、ポイント還元が5%ついても、利息が上回ってしまうこともあります。リボ払いの仕組みを理解していない消費者も多く、ポイントにつられないようにしたいものです。

リボ払いは、自分で毎月の返済額を設定できるので、便利である一方、買物をし続けると、借金がいつまでも続き、何に返済しているかも分からなくなり、借金が慢性化してしまいます。リボ払い設定にする前に、自分が使う金額とポイントとリボ払い利息と、どちらが得になるのかを自分で確認することが大切です。

いずれにせよ、キャッシュレス決済は便利な反面、支出を実感しないので、使いすぎになりやすいのも事実です。チャージ方式の場合は、1週間分の金額を自分で設定して、それ以上は使わない等、自己コントロールが必要です。

PR情報

記事一覧

4月から支出増のもの、支出減のもの

3月も後半になると陽射しが春らしくなってきて、4月からの新生活にこころウキウキしている人も多いことでしょう。日本は4月スタートのものが今でも多いので、生…

2017/3/23

年間12000円以上の薬を買えば税金が戻る?

確定申告が近づいてきましたが、「医療費控除」については、よく知られていますね。1年間の家族の医療費自己負担額が合計10万円(所得によって異なる)を超える…

2017/2/1

「配偶者控除」の終着駅〜壁の乱立にご注意!

配偶者控除について何度か取り上げましたが、思ってもいなかった、あるいはある程度は予測がついた?決着を迎えたのでまとめを書いておきましょう。 2017年度…

2016/12/29

エコカー減税〜2017年度税制改正〜

2017年度の税制改正をめぐる与党の議論が決着しました。家計に関わる内容が多く含まれています。今回はまずは身近な車にかかる税金から紹介していきましょう。 …

2016/12/13

とうとう高齢者の医療と介護負担増に。現役世代の保険料も引き上げ

高齢化が進み、医療費や介護費が増加する中、一定の所得がある高齢者には負担をしてもらおうという方向が強まっています。 まず医療ですが、ご存じのように「…

2016/11/24

年末調整の時期。「控除」ってそもそも何?

11月に入ると、会社員や公務員は「年末調整」の季節になります。毎月払っている所得税は途中で子どもが増えたりしても、修正されておらず、そのまま徴収されて…

2016/11/9

「配偶者控除」は一体どこへ??

10月1日から社会保険の130万円の壁が106万円の壁へ下がり、非正規社員の雇用形態に大きな影響を与えたところですが、次の税金の壁として、103万円の壁である「…

2016/10/12

「配偶者控除」がなくなる?

最近、新聞やニュースで「配偶者控除」がよく取り上げられています。毎年のことなので、またか・・・と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、どうやら今…

2016/9/16

教育費を救う、保険・補助・奨学金のあれこれ

教育費が子ども一人に1000万円はかかるというのはよく知られていますが、皆さん、どのように準備していますか。 調査(博報堂)によると、教育費を「準備してい…

2016/9/1

15000円貰える?

政府の28兆円にも上る経済対策が8月2日にまとまって、個人消費を少しでもあげたいとの考えで、低所得者に一人あたり15000円がばらまかれることになりまし…

2016/8/15

プロフィール

19

達人に質問をする

あなたの家計簿診断します。「達人に質問する」からご応募ください。

岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

  • 会員登録
  • ログイン
今日の天気(05:00発表)
名古屋
曇りのち雨
9 ℃/--
東京
曇りのち雪か雨
7 ℃/--
大阪
雨時々止む
10 ℃/--
  • 東名で渋滞情報あり。
  • 登録路線が未設定です。

企画特集(PR)

  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日新聞の人材研修 ビジネストレーニング「ビズトレ」
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集