コレステロールと血糖値を上げるコーヒー・ジテルペン 2015/7/7

カップに滓が多く含まれるターキッシュ・コーヒー(トルコ・コーヒー)

いつもありがとうございます。最近、コーヒーと健康がいろいろと取り上げられて報道されていますね。とても良いことで、約1世紀近く飲まれ続けていて、現在では世界で一番飲まれている飲み物ですので、体に良い事は歴史が証明していますね。コーヒーは心身ともに、また、健康にとても良い効果がある飲み物なのです。

でも、どんなコーヒーでも良いというわけではありません。やはり一番に気を付けたいのは豆の鮮度と質ですね。インスタントコーヒーや缶コーヒーは鮮度という点では論外ですので、当然、レギュラーコーヒーの話ですが。

では、新鮮で質が良ければすべて良いのか?といわれると、そうでもないらしいです。最近、岡希太郎(東京薬科大学名誉教授)先生が実験したデータから面白い事実が判明しました。

コーヒーは淹れる道具によって抽出されるエキスも味も随分違ってきますね。私が推奨しているドリップコーヒーは旨味成分だけを贅沢に抽出するコーヒーで、ブラックで飲む日本人には一番合っている、いわば、ジャパニーズコーヒー(私はこう呼んでいる)です。

実は、このドリップコーヒーは美味しいだけではなく健康にもとても良いコーヒーだということが、データから判明いたしました。

コーヒーのエキスにはカフェストールとカフェオール(コーヒー・ジテルペンともいわれている)という物質が含まれているそうです。

これを称して「コーヒー・ジテルペン」というそうですが、この成分は焙煎されたコーヒー豆そのものに多く含まれていて、肝臓のコレステロール分解酵素の働きを阻害する作用があり、高脂血症の発症を促します。要は、血糖値を上げる作用があるという事らしいです。

コーヒージテルペンが多く含むターキッシュ・コーヒー

@「コレステロール値を高める成分カフェストールとカーウェオール」
コーヒー豆のCP とKP。コーヒー生豆には他の植物にはないジテルペン類が含まれている。
カフェストール(C)とカーウェオール(K)である。どちらもパルミチン酸エステル(CP とKP)として含まれている。

パルミチン酸は長鎖脂肪酸の1 種なので、CP とKP は中性脂肪に分類される。中性脂肪は油に溶けるが水や湯には溶けない。しかもCP とKP は熱に強いので、焙煎しても分解しない。強く焙煎すると、CP とKP が油とともに豆の表面に浸み出して黒光りする。焙煎した豆を開封したまま何年も放置しておくと、黒光りすることもある。

CP とKP を飲むと、消化酵素で分解され、C とK になって吸収される。C とK の薬理作用としては、発がん物質による発がんを抑制し、コレステロールから胆汁酸への代謝反応を抑制する。

発がん抑制は人体にとって有益であるが、コレステロール代謝の抑制は高脂血症の原因となる。総じて言えば、CP もKP も健康にとっては有害であり、コーヒーの飲み方に工夫を要する理由となる。

A抽出液中のCP とKP
コーヒーには種々の抽出法があり、抽出液のCP とKP の濃度はまちまちである。信頼できる数値をまとめて示すと、CP とKP は湯に溶けないので、抽出液に溶け出すことはない。

CP とKP は「コーヒー滓」のなかに残っている。従って、コーヒー滓の混ざったコーヒーを飲むと、CP とKP が吸収されて血中に観察される。

a.煮出コーヒー、トルココーヒー、プランジャーで淹れたコーヒーにはCP とKP が多い。こういうコーヒーを毎日飲んでいると血中総コレステロール値が高くなる。高脂血症の人が飲むと影響は更に大きい。

b.エスプレッソとモッカ(直火式エスプレッソ)にも滓が混ざるが、その量は(a)の3分の1 程度である。従って1 日に2〜3杯を飲む程度ならば健康への影響はわりあい少ないと考えられる。しかし5杯以上を飲むようだと高脂血症のリスクが高まる可能性は大きい。

c.安心して飲めるコーヒーはネルか紙のフィルターを通したドリップコーヒーで、CP もKP もほとんど混入されない。

d.滓以外にもCP とKP が抽出液に混ざる原因がある。コーヒーオイルである。コーヒーオイルが混ざった抽出液は、その表面にマーブル状の油膜が張る。この油膜にCP とKPが溶けている。滓と同様に、飲めばコレステロール値が上昇する。コーヒーオイルは味をよくするという人もいるが、多くの専門家はそうは思っていない。健康のためにも味のためにも、コーヒーオイルは飲まない方が無難である。

以上をまとめると、「コーヒーの滓とオイルは飲まずに捨てる」というのが健康コーヒーの必要条件である。※岡希太郎氏のデータより

岡希太郎氏

北欧の国々では高脂血症になる人が多く、その原因を調べていくと、大量にコーヒーを飲むことに起因していたそうです。それも、エスプレッソやボイルドコーヒーと呼ばれるコーヒー粉にお湯を注ぎ、ペーパーや布フィルターなどで濾過しない抽出方法であったためであることが分かっています。

日本式の布や日本で多く使用されているペーパーフィルターのドリップコーヒーで淹れたコーヒーは、滓に多く含まれるといわれるジテルペンがフィルターで濾過されてほとんど抽出されません。

結論としては、布やペーパーフィルターで濾したコーヒーであれば、高脂血症の予防に効果があるということです。布やペーパーで淹れるドリップコーヒーは、美味しくて健康にも良いまさに夢のようなコーヒーなのです。

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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