【第46回】日本のスーパーの夜明け!「医食同源」を志す『ユアーズ・バリュー』 2018/6/16

ユアーズ・バリュー 仁井令店

山口県防府市で、食の安全にこだわるスーパー「ユアーズ・バリュー」。毎日の食事は病気を治す薬と同じであるという理念に基づき、使命感を持って、食の大切さを伝えています。
「医食同源」を志す同社のこだわりの品揃えに惹かれて、県内外から健康意識の高いファンが訪れる、ユアーズ・バリュー右田店と仁井令店をご紹介します。


【目指すは「来れば元氣になれる店」】
※注:ユアーズ・バリューでは、気を発散する意味である「氣」の文字を使用

添加物不使用、国内原料にこだわった、安心安全を守る「自然の味」シリーズ。県内ではユアーズ・バリューだけの取り扱い。

店内を見ると目に飛び込んでくるのは、丁寧なPOP(商品の説明)。
39年前の1979年、創業者である現・会長の吉武義和さんが、スーパーを創業する際に志したのが「医食同源」です。当時、大手製薬会社に勤めるなかで「病気を薬で治すことより、病気にならない強い体をつくる根本は毎日の食にある」という考えに及び、脱サラ。現在の右田店の場所で、150坪のスーパーとしてスタートしました。

その年に吉武会長の長男として誕生したのが、現社長で2代目の吉武健志さんです(写真下)。そして右田店も500坪に。会社とともに大きく成長し、2016年に社長に就任した吉武社長は、地域の健康を守る「医食同源」の志も引き継いでいます。

ユアーズ・バリュー右田店/「人間活性塾」に掲げられた吉田松陰肖像画

「地域に貢献し、山口県を良くし、日本を良くし、日本を変える原動力に」と熱い志を語る、吉武社長。山口県が輩出した多くの志士たちと同じ、吉田松陰に必ず「先生」の敬称をつけて呼ぶ生粋の長州人です。
さらに現代の志士とも言える社員やスタッフと、その経営理念「正しい商売、本物の追求」を共有するための場所は右田店の「人間活性塾」。いわば「松下村塾」的存在です。勉強会から生まれる、ユアーズ・バリューにしかできないアイディアが、他のスーパーにはない売り場を創造しています。


【消費者と生産者を結ぶ、ユアーズ・バリュー】  

写真(左上):広い青果売り場/(右上)社長自ら訪問し産地の様子を報告/(下)担当者の手描きPOPの魅力いっぱい

「医食同源」のために行動する社長や担当者の情熱を実感できるのが、広い売り場に旬の野菜や果物やこだわりの逸品が並ぶ、青果部門。実際に訪れて撮影した動画や写真が提示してあり、現地の様子や生産者を知ることができます。POPには担当者による手描きの推薦文。セールストークではない、思わず手に取りたくなる飾らない文章が魅力です。

また青果部の一角、「結いの市場」のコーナーには、地元を中心とした安心安全にこだわった農家さんの新鮮な生産物が集められています。目に見える形で安心を確認し買うことができるのは、栽培方法を説明したPOPのお陰。

親子でお米づくり「朝日米」1,580円(2kg)
コシヒカリの祖先である在来種「朝日米」を、地域の子どもたちが無農薬で育てました。
同社では、「地域の伝統・食文化を守り愛する心」=「結いの心」を育てるイベントとして、今年で4回目となる「親子でお米づくり」を開催。田植え、収穫、そして店頭でのお米の試食販売まで自分たちの手で行うことで「子どもたちが食に感謝し、残さず食べられる習慣が身につくようになる」と毎年人気の企画です。今年も元気な稲が青々と育っています。


【地域の魚の良さを伝えるという使命】

ユアーズ・バリューの鮮魚売り場はとても広い! 三方を海に囲まれた山口県では、魚に対し目の肥えた消費者が多いため、その要望に応えるには鮮度と品揃えが重要です。

じつは修行時代の若き吉武社長は、東京の有名スーパーに就職し、鮮魚担当として腕を磨きました。その時、地元・山口では当たり前の「触ればピカピカ光るような新鮮なイカや生きたままのエビ」などが都会にはない価値あるものだと、再認識できたと言います。

防府産の瀬戸内の魚のほか、日本海側屈指の漁港である長門市仙崎や萩漁港などからも魚が集結するため、種類も豊富。午前中から丸魚の並ぶ鮮魚コーナーは市場さながらの風景です。

2月の節分時の鮮魚売り場は、山口ならではの「節分にイワシとクジラを食べる」という伝統文化をテーマにした陳列に

さらに、商品を売ることだけを目標にせず、丁寧に地域の食文化の情報を伝えることで、魚離れの進んでいる若い世代にもその魅力を知ってもらうことを続けています。

【地元銘菓とご当地調味料の楽園】

力を入れているのは生鮮だけではありません。地産地消を応援するための地元加工品のコーナーも最大級レベル。地元調味料だけで50アイテム以上、お菓子や麺類、おかずなども地元メーカー17社の約50種の商品が勢ぞろいの地域一番の品揃えです。日常のお買い物だけでなく、手土産として地元利用がある、ご当地食の楽園。お土産探しにも役立つので旅行者にもお勧めします。

萩ぽん 458円/桑田醤油
地元の桑田醤油が、手間暇かけてつくる杉樽仕込みの本醸造しょうゆを使用し、萩市の特産品「本橙(だいだい)・夏橙(だいだい)」の天然果汁を40%贅沢に配合しています。鍋、餃子や焼肉のたれ、生野菜のドレッシング、下関名物ふぐ料理など、さまざまな料理をすっきり爽やかに。強い味わいの中にある橙の繊細な風味で、山口らしさを感じるポン酢です。


【人気の焼き立てパンも健康素材】

製法と原料にこだわりを持つ「手作りパン自然工房」。乳製品、卵不使用の天然酵母玄米パン(290円)など自然素材のパンや瀬戸内のジャムが並びます。

ブルーベリージャム700円、厚保(あつ)くりのつぶつぶ贅沢ジャム920円、大島みかんと柚子のマーマレード700円/瀬戸内ジャムズガーデン
瀬戸内の周防大島でジャムづくりをする松嶋夫妻が設立した瀬戸内ジャムズガーデン。原料の果実はほぼ島内産で、無農薬や減農薬にこだわります。必要なフルーツがあれば植えるのだとか。製造法も昔ながらに刻んだ果実を種子島産の未精製黒糖と鍋で煮詰める、果実のおいしさを最大限に引き出した名品です。


【広い窓口、深い専門性、それが生鮮食品専門大店】

「食で人を健康にし、元氣にすることが使命(志)」と言い切る同社にとって、作業場は単に食材を商品にする場ではありません。作業場を「健康工場」と位置づけ、お客様の健康を担う場所をオープンにし安心感につなげたいと、作業場が隅々まで見えるように窓を大きく開けています。

また、売り場の理想型は、市場のような人と人とのコミュニケーションの場。例えば、ユアーズ・バリューの鮮魚売り場で丸魚を買うとき、パック入りの魚ばかりが並ぶ店にはない会話が、そこに生まれています。地域のニーズに合わせた提案や細やかな希望に沿った対応ができる姿勢こそ、ユアーズ・バリューらしさ。

部門ごとにスーパーを超えたレベルの専門性を追求し提供する店でありたい。それが看板に掲げた“生鮮食品専門大店”の意味なのです。

理想を実践することは簡単ではないはずですが、「志」を持ち、社長と社員が一丸となり働く姿は、清々しく力強いものでした。医食同源とは、利益を追求するのではなく、消費者側に立った究極の商売の形。
かつて長州から近代日本の夜明けが始まったように、山口のユアーズ・バリューから、日本のスーパーの価値観が変わろうとしています。

ユアーズ・バリュー右田(みぎた)店
防府市右田高井615-2 
tel:0835-24-1001
9:30〜21:00

ユアーズ・バリュー仁井令(にいりょう)店
防府市西仁井令町1-11-1
tel:0835-27-3100 
9:30〜21:00

取材・文・写真/菅原佳己
※一部売り場の写真はユアーズ・バリュー撮影

※価格は全て取材時の税抜きで表示。また、紹介の商品は常時取り扱いがあるとは限りません。

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スーパーマーケット研究家
65年東京生まれ、名古屋在住。
サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビ出演や新聞・雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。新刊「東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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