「天」を乗り越える「ふぁんそん気功」/《ふぁんそん気功講話》5 2019/11/11

●天という言葉

みなさんは「天」という言葉を聴かれた場合、何を思い浮かべられるでしょうか?
「天高く馬肥ゆる秋」というような「天空」ですか?
それとも「天災」のように使われる「自然現象」のことですか?
それとも「天皇」?

僕の持っているケータイに内蔵されている国語辞典にはこうありました。

◆【天】
地に対して高く遠く無限に広がる空間。
万物の支配者。
万物を貫く自然の理。

さて、問題を出させて頂きますが、では「有頂天」という場合の「天」はどんな意味だと思われますか?
「有頂天」という場合の「天」は「天空」でも「自然の理」でもないんですね。
「天」という状態のことで、「天」という生き方をしているとか「天」のような心の状態で生きているといった意味なんですね。
ですから「有頂天」というのは、「天」のような生き方や「天」という心の状態の中でも、その頂点に有るという意味なんです。
では、「天」という状態とはどんな状態なんでしょうか?

●生き方としての「天」

「天」というのは六道の中の一つの状態のことなんだそうです。

六道というのは「六道輪廻」の六道のことです。
仏教の創始者である釈尊(通称、お釈迦様)は六道輪廻などといったことは教えなかったようなんですが、いつの間にか古代インドの思想にあった六道輪廻が仏教の中に持ち込まれてきたという話を故松原泰道老師から聞いたことがあります。
松原泰道老師は、六道輪廻を「生まれ変わり」として理解するのではなく、現実の日常生活の中での心の移り変わりやその状態として理解するようにと教えて下さいました。

六道というのは、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅(修羅)、人、天の六つの状態のことです。
殺人、傷害、暴力、脅迫、詐欺、策略などによって地獄の日々をもたらしているような人たちの心の状態、それが「地獄」です。
それは加害者でも被害者でも、正反対ではあるけれども、心の中の憎悪や恐怖などは地獄そのものでしょう。

欲しいものを手に入れ、両手一杯に抱え込んでいても、他のものを見ると、それも欲しくなり、どんな手段を取っても手に入れようとするような貪欲に満ちた心の状態、それが「餓鬼」です。

「畜生」というのは、性と食に対して、欲しいままにしたいと思い、実際にそんな行動をし、それを引き起こす節制のない心の状態を指します。

闘争や喧嘩を好み、とにかく誰かに向かって常に牙をむきだしているような心の状態を「阿修羅(修羅)」と言うんです。

そして、人間的な優しさや慈愛の心をもっている状態を「人」と言い、更に利他、利己共に最高の心の状態を「天」としているんですね。
その「天」の中の最高値の状態を「有頂天」と呼んでいるんです。

ところで、六道輪廻と言うように、「人」や「天」を何故に移り変わる心としての六道の中に組み入れているかと言えば、「天」であれ「人」であれ、ちょっとしたきっかけで、阿修羅や畜生、餓鬼の状態にも、更には奈落の底にも落ちてしまうという不安定な状態だからなんです。

奈落というのは、サンスクリット語(梵語)で地獄という意味です。

「天」の状態にまで高まった人であれ、いつでも地獄の状態に陥る可能性を持っているんですね。

「有頂天になっていると…云々」という言葉は、それを指しているんでしょうね。

●心の動揺を繰り替えす不安定な状態から抜け出すために

最初に述べましたが、僕(和気信一郎)は、故松原泰道老師から、この「六道輪廻」について、日々の暮らしの中での心の移り変わりとして理解すべきだと教えられました。

どんなにヒューマニズムと慈愛に満ちた心で暮らしている人でも、何かをきっかけに、憎悪や嫉妬、欲望や執着に心を取られて、阿修羅や畜生、餓鬼、地獄の心になることもあり、それは、一日の間にもころころ変化することもあるんですよね。

そんな不安定な心の状態である六道から抜け出して、穏やかな安定した状態に自分を高めていかねばなりませんが、気功や「ふぁんそん」は、そこにも働き掛けることが出来ると僕(和気信一郎)は考えているんです。

●菩薩行としての「ふぁんそん気功」

地獄から天までの心の状態である六道を乗り越えた存在に、菩薩とか如来などと言われる存在があります。

仏教では、六道と菩薩の間に声聞とか縁覚などという存在も置いているようなんですが、ここでのテーマは仏教的な解釈ではありませんので、菩薩や如来だけを考えれば良いでしょう。

如来とはブッダ(仏陀)のことで、完全なる三昧の状態、涅槃の境地を得た人のことで、この仏陀を略して仏としているんです。

ですから、如来、ブッダ、仏は同じ意味なんですね。

そして、その如来に到るための修行をしている人を菩薩と呼んでいるんです。

その修行の内容によって観音菩薩とか地蔵菩薩などという名前が付けられているんだそうですよ。

仏教関係の方々にはお叱りを受けるかも知れませんが、「ふぁんそん気功」に取り組んでいる私たちは、怒りや恐れ、欲望や執着、悲しみや喜びに振り回される六道輪廻から抜け出して、穏やかで安定した心の状態で暮らしていけることを願って「ゆるみ」と気の訓練に取り組んでいる訳ですから、「ふぁんそん菩薩」、「気功菩薩」として「ふぁんそん気功」の訓練に励んでいきたいものです。

●ブッダからの贈り物

よく知られている般若心経の最後の一節(経文)は真言とされていて、サンスクリット(梵語)の音を漢字にしたもので、僕達が目にする漢字には意味がないようなんですね。

僕は、この真言の部分は「ふぁんそん」や(気の訓練)に真面目に取り組んでいる私たちへの励ましの言葉だと理解しているんです。

音を文字にするのには無理があるんですが、大体は次のような感じだそうです。

《ガティー、ガティー、パーラガティー、パーラサンガティー、ボディヒースヴァーハー》

言葉の意味や解釈の説明は省かせて頂きますが、この部分を僕なりに解釈して読んでみますね。

ブッダ(釈尊)が私たちに呼びかけます。

よくぞ到達した。
よくぞ到達した。
よくぞ究極の境地にまで到達した。
よくぞ六道輪廻の迷いの心を離れ、にどとそこに陥ることのない究極の境地にまで到達した。
その完全なる安定した涅槃の境地によってもたらされる穏やかな人生が成就されんことを!

僕は、やがて本当にブッダ(釈尊)からそう言われるように「ふぁんそん気功」を深めていかねばならないと考えてはいるんですがね……。

◆11月17日(日)は
*体の内側からゆるめる技を学ぶ《ふぁんそん教室》
→毎月第3日曜日13時半〜16時
→名古屋市市政資料館
→入会費(二千円)、受講料(六回分一万円)/体験(三千円)

*お申し込みはお早めに!
kikounonakama@yahoo.co.jp
09019816957

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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