「配偶者控除」は一体どこへ?? 2016/10/12

10月1日から社会保険の130万円の壁が106万円の壁へ下がり、非正規社員の雇用形態に大きな影響を与えたところですが、次の税金の壁として、103万円の壁である「配偶者控除」がなくなる話を前回書いたきました。ところが、11月の提言を待たずして、早々になくなる話はなくなり・・・・ました。

すでにご存じのように、2017年度の税制改正において、専業主婦世帯が優遇されてきた「配偶者控除」制度をなくして、「夫婦控除」を新たに作ろうという方向が示されていました。しかし結局は選挙結果を懸念して挫折の様相となっています。情けない。

「配偶者控除」は、妻の年収が103万円以下であれば、所得税が軽減されるというものです。もともと103万円以下の人は、誰しもが受け取れる基礎控除(38万円)と給与所得控除(65万円)があるため、所得税を支払わなくてもよく、さらに「配偶者控除」によって世帯主の税金軽減されるというものです。

安倍首相が「働き方改革」の中で「配偶者控除」の見直しを指示したことによって出てきたのが「夫婦控除」ですが、いつもの見直し議論に比べて、具体案が現れたことで、今年こそ実現するのではないかと思われましたが、結局は例年通りとなりました。「夫婦控除」は、中間所得層の負担増への懸念が強かったためです。

今後は、「配偶者控除」の廃止ではなく、年収103万円以下の年収制限の引き上げを優先する方向となりそうです。今のところは、年収150万円以下に広げる案が出てきています。妻の収入が103万円超150万円以下で、夫の年収が1000万円以下の世帯ならば減税になるというものです。

控除を受けるために働く時間を短くしていた主婦が、より長い時間働けるようにする効果を期待しているとのことですが、専業主婦の優遇措置がさらに拡大されるので、「配偶者控除」廃止とは逆行しているかに見えます。控除を受けずに働く人からは「なぜ??」とも思える方向に走っていくようです。

もう一つの検討案は、現行は夫の年収要件は「なし」ですが、夫の年収が1000万円超の世帯は配偶者控除がなくなり負担増となるというものです。これは150万円以下まで妻の年収要件を引き上げると税収が落ち込むので、財源を確保するために検討されます。

いずれにせよ、主婦パートは非正規雇用の4割を占め、約804万人とかなりの人数となっています。今後労働力が減る中、主婦パートが戦力であることは確かですが、いかにフルタイムの人との公平感がある税制にするかが課題となります。

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プロフィール

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岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

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