薬の副作用「たかがシップ薬、されどシップ薬」 2019/4/20

クスリを反対から読むとリスクとなります。

医師が処方する薬、薬局で購入する市販薬、漢方薬など、どんな薬にも多かれ少なかれ副作用というものがあります。医師が薬を処方するときは、予期される副作用を考えて処方していますので、基本的には安心して飲んでいただき、医師や薬剤師から副作用の初期症状について聞いておきましょう。

初期症状が出た場合はどうするのかを予め聞いておくことも大切です。場合によっては、副作用が出ても、すぐに飲むのをやめることが良くない場合もあります。また、ドラッグストアなどで市販薬を購入するときも、薬剤師に副作用について聞いておくことも大切です。

薬の副作用については、誰もが気になることだと思います。薬の副作用は主作用の延長線上で起きるものと主作用とは関係なく起こるものがあります。このような副作用を避けるためには、飲む量を自己都合で勝手に変えることなく、医師や薬剤師の指示通りに服用し、もしも副作用の初期症状があるときは、速やかに相談して指示を受けるようにしましょう。

最近は、痛み止めの成分が入っているシップ薬が多く市販されています。また、整形外科などでシップ薬の処方を受けている方も多いと思います。このようなシップ薬でも、人によっては重篤な副作用を引き起こすことがあります。

例えば、ケトプロフェンという消炎鎮痛薬の成分が含まれているシップ薬としてモーラス®などがありますが、この薬は、人によっては光線過敏症という重篤な皮膚障害を起こすことがあります。シップを貼っているところに日光が当たることで発症します。剥がした後も4週間くらいは皮膚に薬の成分が残っているので発症することがあります。屋外で作業をする方やスポーツ選手などは注意が必要です。

シップ薬に含まれる消炎鎮痛薬の成分は、皮膚から吸収されて全身に回ります。妊娠中にはこの成分が胎児の動脈管という大切な血管を収縮させて胎児に悪影響を及ぼすことがあります。また、シップを大量に貼っている高齢の方で、皮膚から吸収された成分で消化管出血を起こして緊急入院される方もいらっしゃいます。

特に最近では皮膚から成分の吸収がよいシップ薬もあり、大量に使用すると副作用が出やすいものもあります。処方してもらったシップ薬を人にあげたり、もらったりすることは絶対にやめましょう。また、処方された薬をインターネットなどで転売することはシップ薬であっても違法行為となります。

薬には副作用があると聞くと不安な気持ちになるかもしれません。だからといって必要な薬を飲まないことは病気をさらに悪くすることもあります。正しい使い方をすれば副作用が起こる可能性を低くすることができますし、病気の治療には薬は無くてはならないものです。わからないことや不安なことは医師や薬剤師に相談して、薬を安全に安心して使いましょう。

林秀樹  岐阜薬科大学 実践薬学大講座 実践社会薬学研究室 准教授

平成8年 名城大学薬学部卒業、平成10年 静岡県立大学大学院薬学研究科修士課程修了、平成20年博士(薬学)取得。平成10年より岐阜大学医学部附属病院薬剤師、平成17年より静岡県立大学薬学部講師、平成26年より現職。

臨床薬物動態学および薬理遺伝学研究に従事。医薬品の効果や副作用の個人差の原因を解明する臨床研究を行っている。

平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震において薬剤師として被災地支援に従事。平成27年バヌアツ共和国サイクロン被害に対する国際緊急援助隊医療チームに薬剤師として参加。

日本医療薬学会指導薬剤師、日本臨床薬理学会指導薬剤師、日本災害医学会災害医療認定薬剤師、日本臨床薬理学会評議員、日本医薬品安全性学会評議員、日本災害医学会評議員、日本災害医療薬剤師学会理事、静岡県立大学薬学部客員准教授、岐阜大学医学部非常勤講師、朝日大学保健医療学部非常勤講師。

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