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児童虐待被害、最多の1394人 18年・警察庁、保護や摘発数も更新 

2019/3/14 夕刊

 警察庁は十四日、二〇一八年に摘発した児童虐待事件は千三百八十件(前年比21・3%増)で、被害にあった子どもは千三百九十四人(同19・3%増)だったと発表した。いずれも過去最多。緊急性が高いとして保護した子どもも最多の四千五百七十一人(同19・1%増)だった。既に暫定値を発表済みだが、虐待疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した十八歳未満の子どもは八万二百五十二人。問題が深刻さを増す中、警察を含めた関係機関の対応強化が喫緊の課題となる。

 警察庁の栗生俊一長官は十四日、会見で児童虐待について「憂慮すべき状況。児童相談所や学校などと連携を図りつつ、児童の安全を最優先とした取り組みを確実に進めたい」と述べた。

 昨年三月に東京都目黒区の五歳女児が両親の虐待を受け死亡。今年一月には千葉県野田市で小四の栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡し、両親が逮捕されるなど重大事件が相次いでおり、政府は児童虐待根絶に向け関連法改正案を今国会で成立させる方針だ。虐待の早期発見に向けた警察の対応強化も法律で規定する見込みになっている。

 警察庁によると、全国の警察が一八年に摘発した千三百八十件のうち、「身体的虐待」が千九十五件で約八割を占め、「性的虐待」が二百二十六件と続いた。「ネグレクト(育児放棄)などの怠慢・拒否」が二十四件。児相への通告件数の中で最多となっている「(暴言など)心理的虐待」での摘発は三十五件だった。

 一方、千三百八十件中、死亡事件は前年より十五件少ない三十五件。無理心中と出産直後を除く二十一件を罪種別で見ると、殺人が十一件、傷害致死が五件、保護責任者遺棄致死が四件、逮捕・監禁致死が一件。

 摘発された人数は千四百十九人(同20・7%増)で、被害者との関係は「実父」が最多の六百二十二人。他に「実母」三百五十二人、「養父・継父」二百六十六人、「内縁(男)」百二十七人などとなっている。

 虐待に関する一一〇番を受けた中で、生命の危機など緊急性が高いと判断したり、夜間などで児相がすぐに対応できなかったりして、警察が一時保護した子どもは四千五百七十一人だった。

◆警察関与にジレンマ

 <元児童相談所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長の話> 児童虐待の摘発数が増加したのは、警察が従来以上に積極的な姿勢で対応した結果だろう。一方で、警察が関与する事案は事態が切迫しているケースが多い。被害児童が死に至る重大事件も相次いでおり、状況は深刻化していると考えられる。児童相談所に警察OBを配置するための支援拡充といった政府の虐待防止対策は一定の効果が期待できる。だが事態の早い段階で警察が前面に出すぎると、親が警戒して本音を隠してしまうというジレンマもある。警察対応も重要だが、児相や学校、民間など地域全体で虐待をどう防ぐのかを早急に検討する必要がある。

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