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はやぶさ2完遂 地下物質を初採取 

2019/7/12 朝刊

はやぶさ2が着陸の4秒前(上)と4秒後に撮影した小惑星りゅうぐうの表面。着陸に伴い石などが舞い上がっている=11日(JAXAなど提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は十一日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」に再着陸し、地下の岩石の採取に成功したとみられると発表した。小惑星の地下物質が採取できていれば世界で初めて。予定していた任務はほぼ全て成功。十一〜十二月にりゅうぐうを離れ、二〇二〇年末ごろに採取した試料とともに地球に帰還する。

 JAXAによると、はやぶさ2は十一日午前十時六分、目標としていた半径三・五メートルの円のほぼ中央に着陸した。現在は高度二十キロの待機場所へ向かって上昇中だ。着陸したのは人工クレーターの中心から約二十メートル離れた場所で、噴出した地下の岩石が一センチほど積もっていると推定される。

 探査機から送られてきた着陸直後の画像に、舞い上がる岩石片が多数写っていた。津田雄一・JAXA准教授は会見で「私たちは太陽系の歴史のかけらを手に入れた」と述べ、試料採取に成功したのは間違いないとの考えを示した。

 小惑星は約四十六億年前に太陽系が誕生した頃の姿を残す。はやぶさ2は昨年十月に初着陸する計画だったが、表面が岩だらけで難しいため、地形などの検討に時間をかけ今年二月に初着陸した。四月には、金属弾を高い精度でりゅうぐうに命中させ、人工クレーターをつくることに成功した。

 今後は、十一〜十二月にりゅうぐうを離れて地球に向かう。二〇年末ごろ帰還して、試料の入ったカプセルを地上に投下する。機体に損傷がないため、カプセル投下後に、他の小惑星に向かう可能性もある。

◆有機物発見に期待 「破片、驚きの黒さ」

 はやぶさ2が採取に成功したとみられる地下の岩石破片は、表面のものよりも黒く、生命の原材料となる有機物発見への期待が一段と高まる。分析を担当する広島大の藪田ひかる教授(宇宙化学)は「地下物質の黒さには驚いた」と話す。

 表面よりも黒い地下物質について藪田さんは「表面より豊富に有機物を含んでいるかもしれない」と指摘する。有機物は宇宙線や太陽風による風化などで分解されると量が減るが、地下ではその影響は少ないからだ。ただ撃ち込んだ金属弾の衝撃で物質が変化したことなどが原因の可能性もあり、慎重に見極める必要がある。

 はやぶさ2は一回目の着陸で表面物質を採取。藪田さんは「黒さの度合いが違う二種類の試料を比較することで得られる情報は多い。りゅうぐうの正体を明らかにしたい」と話した。

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