個人番号カードでポイント還元事業、全容固まる 

2019/11/20 朝刊

 政府は十九日、マイナンバー(個人番号)カードを活用して新たに始めるポイント還元事業の全容を固めた。申請できるのは二〇二〇年九月から二一年三月までの七カ月間で、最大二万円までのキャッシュレス決済の利用や入金につき、25%に当たる五千円分の「マイナポイント」を付与する。二〇年度当初予算案に関連費用約二千五百億円を計上する方向で調整している。

 来夏の東京五輪・パラリンピック後の景気落ち込みを防ぐとともに、14%程度と低迷するマイナンバーカードの普及を後押しし、行政サービスのデジタル化の流れを加速させる狙いもある。消費税増税対策で、来年六月に終了するキャッシュレス決済のポイント還元の後継事業に位置付ける。

 巨額の予算を用意し還元率の高さをアピールしたい考えだが、利用拡大に向けては複雑な申請手続きなどが課題となる。

 申し込みには、マイナンバーカードの保有者が取得できるIDが必要となる。対象となるスマートフォン決済や電子マネーのサービスを一種類選択すると、入金(チャージ)時や、QRコードなどを介したスマホ決済の利用後に25%分のポイントを還元。ポイントに一律の利用期限は設けず、決済事業者に任せる。

 現時点で計十二のサービスが参加する意向で、電子マネーはJR東日本のSuica(スイカ)やイオンのWAON(ワオン)など、スマホ決済はLINEペイやペイペイ、楽天ペイなどが入る。

 ID設定などが複雑になるため、政府はマイナンバーカードを発行する自治体に加えてショッピングセンターや携帯電話事業者の代理店に、手続きの支援窓口の設置を検討している。

◆プレミアム商品券の二の舞い懸念

 政府がマイナンバーカードを活用して来秋導入する新ポイント還元事業は、東京五輪後の景気下支えとカードの普及の「二兎(にと)」を追う政策だ。しかし手続きの複雑さから実効性に疑問も残り、「一兎をも得ず」の結果になる懸念もある。

 政府が既に実施している消費税増税対策のうち、プレミアム付き商品券は二万円につき五千円分の上乗せがあるにもかかわらず、低所得者層の申請が想定の三割程度と低迷が目立つ。

 周知の不足に加えて郵送による申請の手間を嫌う人が多いとみられ、新ポイントも還元率の高さをうたうだけでは特定層にしか関心が広がらず、二の舞いになりかねない。

 結果としてカードの普及がままならなければ、景気対策としての効果も限定的なものにとどまることになる。

 一方で、新ポイントが奏功してマイナンバーカードの申請が急増した場合にも課題がある。政府は来年七月末に最大四千万枚、二〇二一年三月末には最大七千万枚の目標を掲げるが、一六年の開始以降の交付枚数は累計約千八百万枚にとどまる。

 自治体からは「(政府目標は)想像を絶する数で、本当にできるのか」と悲鳴に近い声も聞こえる。

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