米、中国の為替操作国解除 15日に署名、貿易合意を評価 

2020/1/14 夕刊

 【ワシントン=共同】米財務省は十三日、主要な貿易相手国・地域の通貨政策を分析した外国為替報告書を公表し、中国の「為替操作国」認定を解除した。米中両政府が十五日に署名する「第一段階」の貿易合意に、人民元の切り下げを控える条項を盛り込んだことを評価した。両国の対立緩和の要因になりそうだ。

 トランプ米政権は貿易摩擦が激化する中で昨年八月、自国通貨を安値に誘導しているとして一九九四年以来、二十五年ぶりに中国を為替操作国に認定。人民元が対ドルで約十一年ぶりの水準に下げたのを理由としていた。

 ムニューシン財務長官は「中国は競争力を高めるための通貨切り下げを自制すると約束した」とのコメントを発表し、操作国認定を取り消した理由を説明した。貿易合意の署名を前に融和ムードを演出する狙いがありそうだ。人民元が昨年九月上旬に一ドル=七・一八元の安値をつけた後、上昇基調にあることも評価した。

 一方で報告書は日本や中国など十カ国を通貨政策の「監視対象」に指定した。日本の監視対象指定は八回連続。報告書では、日本に関して「持続的な巨額の対米貿易不均衡を引き続き懸念している」と言及し、内需拡大へ向けた構造改革を実施するよう促した。

 日中以外の監視対象は、ドイツ、アイルランド、イタリア、韓国、マレーシア、シンガポール、スイス、ベトナム。

 報告書は通常、毎年四月中旬と十月中旬に公表されるが、今回は約三カ月公表が遅れた。米中貿易協議で中国側の出方を見極めるためとみられる。

 <為替操作国> 輸出競争力を高めるために不公正に自国通貨を安く誘導していると米国が判断した国。米財務省は通常、半年ごとに議会に提出する為替報告書で、複数の基準を基に為替操作国かどうかを判断する。2019年8月に中国を操作国に認定した際は、為替操作を幅広く定義した「包括通商競争力法」を使った。操作国に認定すると、国際通貨基金(IMF)と協議。米議会にも対処を求めることができる。(共同)

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