紛争地での支援活動、公的資金の獲得困難 名古屋のNPO指摘 

2020/1/26 朝刊

西アフリカ・ブルキナファソで撮影した写真を前に、現地での活動を振り返る石田純哉さん=名古屋市東区で(鈴鹿雄大撮影)

 「ペシャワール会」の医師中村哲さんが活動したアフガニスタンのように外務省が退避勧告する紛争地などでの支援団体の活動は公的助成を受けられず、資金不足に直面するケースもある。邦人の安全確保の観点からだが、支援団体の関係者は「そうした場所ほど、助けを求めている人がいるのに」と複雑な思いを口にする。

 「中村さんは現地に足を運び、本当に必要な支援を考え、実行してきた」。アフリカで学校建設や教育環境の改善に取り組むNPO法人「ル・スリール・ジャポン」(名古屋市)で代表を務める石田純哉さん(39)は敬意を示す。一方で「公的な資金援助があったなら、もっと充実した警備をしいて違う結果になっていたかもしれない」と語る。

 石田さんは五年前から西アフリカ・ブルキナファソで活動。イスラム過激派の勢力が拡大し、治安は不安定だが「継続して訪れることで現地の人たちに顔を覚えてもらい、受け入れられてきた」と手応えを語る。

 使命感だけでは活動はもたず、資金面の現実がある。外務省は開発途上国や地域で活動する団体に無償の資金提供を行っており、二〇一八年度は五十九団体に計約五十億円を提供。しかし同省が出す海外安全情報のうち、渡航中止勧告の「レベル3」、退避勧告の「レベル4」の地域で活動する場合は原則、対象外となる。

 石田さんは今年予定していた活動の一部を取りやめる。昨年末、活動する地域の危険情報がレベル3に引き上げられたからだ。

 身の安全を守るため、現地での活動には、専門の警備員を雇うなど高額な費用が必要となる。資金援助は地方自治体、民間団体も行っているが、レベル3以上になれば受け付けてくれないのが一般的という。「現地に助けを求める人がいるのは変わりないのに」と苦しい胸の内を明かす。

 レベル4のアフガンなどで活動するNPO法人「日本国際ボランティアセンター」(東京)も「活動地域で紛争が起きれば、自己資金がある団体しか現地に残れない」と話す。

 今後の資金提供について、外務省の民間援助連携室は「必要に応じて修正を考えるが、安全確保を前提に判断することになる」としている。

 ペシャワール会は国から資金援助を受けていたこともあったが、活動地域の状況に応じて柔軟に活動するため、公的な援助に頼らずに会費や寄付で活動するよう方針を転換した。同会理事で国内唯一の支部「ペシャワール会名古屋」の代表五井泰弘さん(73)は「安全確保との両立は難しい問題だが、公的な資金援助があれば、中村さんのように活動したいと考える人にも道が開けるのではないか」と話した。

 (鈴鹿雄大)

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