電車通勤、タクシー、屋形船、外来受診 新型肺炎、相次ぐ経路不明 

2020/2/15 朝刊

医師が感染した済生会有田病院に張り出された、受診した人や家族のための接触者外来設置を知らせる文書=14日午後、和歌山県湯浅町で

 新型肺炎で国内初の死者が出る中、千葉県や和歌山県などで感染経路がよく分からないケースが相次いでいる。一般的な社会生活を送っている人が感染し、三次感染、四次感染が起きている可能性も強まっている。厚生労働省の想定を超え、国内に感染が広まる「新たな段階」に入ったとみる声は多い。

 厚労省によると、神奈川県の八十代女性は死亡直前まで、新型肺炎を疑われていなかった。中国での滞在や滞在歴がある人との濃厚接触の可能性は低かった。

 医師らから「定義に当てはまらないが疑わしい患者はいる」との指摘が聞かれるようになり、厚労省は医師や自治体の判断でウイルス検査をできると強調する通知を七日に出したが、いきなり死亡例と向き合う衝撃となった。十三日には、感染経路を推察しにくい患者が千葉、和歌山でも相次ぎ報告された。このうち千葉の二十代男性は発症後の数日間、電車で東京都内に通勤していた。濃厚接触した人を追い切れない事態になっている。

 「流行、まん延している状態ではないという見解を変える状況のデータはまだ持っていない」。加藤勝信厚労相は十四日の記者会見でも従来の見方を変えなかったが、専門家の見方は違っていた。

 日本感染症学会などは六日に、「既に国内にウイルスが入り込み、街の中で散発的な流行が起きていてもおかしくない」との見解をまとめた。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長として重症急性呼吸器症候群(SARS)に対応した独立行政法人地域医療機能推進機構の尾身茂(おみしげる)理事長(70)は無症状のウイルス保有者が判明した段階で、「一定の感染者がいることを前提に、重症な患者に絞って専門の医療機関で診るなど、次の段階を考えていくべきだ」と訴えてきた。

 死者が出たことで国内には不安が広がる。感染を心配する人に対し、厚労省はいきなり医療機関へ行くのではなく、まずは保健所などに設けられている「帰国者・接触者相談センター」に連絡して、診察を受けるべきかも含めて相談することを勧めている。茨城県つくば市の坂根みち子医師は、「軽症者が医療機関を受診することで、重篤な疾患を抱えている患者さんにウイルスをばらまいてしまうこともある。軽症の患者には自宅待機で療養してもらうなどの対策が必要になる」と指摘している。

 (井上靖史、土門哲雄)

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