東京五輪、計画見直し着手 バッハ氏「かつてない挑戦」 

2020/3/25 夕刊

東京五輪開会式までのカウントダウン時計。延期決定から一夜明けた25日午前には、現在の日時表示に変わっていた=JR東京駅前で

 新型コロナウイルスの感染拡大で、二十四日に東京五輪・パラリンピックの一年程度の延期が決まったことを受け、大会組織委員会は二十五日、本格的な計画見直し作業に着手した。組織委と東京都、国は近く合同会議を開く方向で調整する。出場を目指す選手も仕切り直しを迫られる。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「来年の五輪は未曽有の危機を乗り越えた人類にとっての祝祭になる」と述べた。

 【パリ=竹田佳彦】IOCのバッハ会長は二十四日、東京五輪・パラリンピックの延期を正式に決めた臨時理事会の後に電話記者会見を開き、史上初となる大会延期について「かつてない挑戦だ」と述べた。AFP通信が伝えた。

 新たな日程は言及せず、「すべての問題を検討するため四週間が必要だとすでに決定している」とした。今後、IOCと東京五輪の大会組織委員会が、各国際競技連盟と調整して議論する。また、延期に伴う経済的な影響については「優先事項ではない。人命が大切で、まだ議論を始めていない」と説明した。

 五輪の聖火はすでにギリシャから日本に到着したが、希望の象徴として日本で燃やし続ける。バッハ氏は「成功へ向けて安倍首相にIOCの完全な支援を伝えた」とも述べた。

 一方、二〇二四年にフランスで予定されるパリ五輪のエスタンゲ組織委員会会長は二十四日、「大会は予定通りで、日程に影響はない」と述べた。AFP通信が伝えた。

 エスタンゲ氏は延期決定について「公衆衛生上の見地から良い決断だ。選手にとってもより望ましい」との認識も示した。

◆「完全な形で開催」日米首脳連携確認

 安倍晋三首相は二十五日午前、トランプ米大統領と電話で約四十分間協議した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、七月に開幕予定だった東京五輪・パラリンピックを一年程度延期する方針を説明。世界中で患者が急増している感染症の早期終息に向けた連携も確認した。

 電話協議に同席した菅義偉官房長官によると、首相は国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との二十四日の電話協議で、東京五輪・パラリンピックの開催時期を一年程度延期することで一致したことを説明。トランプ氏は「大変賢明で素晴らしい決定だ」と繰り返して評価した。

 両首脳は、新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、東京五輪を完全な形で開催するため緊密に連携する方針を確認。治療薬開発などで協力し、感染拡大の阻止へ連携することで一致した。北朝鮮情勢についても意見交換した。

◆「一つ一つ解決」自治体慌ただしく

 新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪・パラリンピックの一年程度の延期が決まり、関係自治体は二十五日朝から大会の成功に向けて再び準備を始めた。開催都市の東京都では、都庁第一本庁舎二階に設置された五輪とパラリンピック開幕までのカウントダウンボードを撤去。職員は「課題は膨大だが、一つ一つ解決していくしかない」と前を向いた。

     ◇ 

 「やっぱり(今年は)五輪、ないんだな」。安倍晋三首相が二十四日夜、IOCとの東京五輪延期合意を伝えた瞬間、インターネットの中継を見守っていた愛知県の聖火リレーの担当者はつぶやいた。目前に迫っていたリレーは五輪の新たな日程が決まった後に行われることに。通常開催が難しいと覚悟していた担当者は安堵(あんど)の表情を見せ、県内自治体への通知に追われていた。

 二十五日朝も、県が委託したリレーの沿道警備や会場設営に当たる業者にキャンセルの連絡を入れたり、中止に伴う経費の計算をしたりと慌ただしい様子。「あらゆる想定で準備してきたが忙しい」と困惑気味だった。同日午前十時半には、県庁正面に掲げられた五輪と聖火リレーの開催を伝える看板が撤去された。

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